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どんどん進化する自動車盗難の新たな手口と対策
令和4年6月には東海地区で自動車盗を繰り返していた窃盗グループが愛知、千葉両県警に摘発されました。
- 自動車窃盗グループによる乗用車盗難。少なくとも48件。
- 愛知県日進市で住宅の駐車場から乗用車を盗んだなどとして自動車窃盗グループの男10人が逮捕された。
- 逮捕されたのは豊田市の職業不詳(50)やバングラデシュ人の男らあわせて10人で、イラン国籍の男ら6人は、盗まれたものと知りながら乗用車など3台を千葉県内のヤードに保管した盗品等保管の疑いが持たれている。
- 同グループは半日足らずで約300km離れたヤードへの運搬や車体番号の改ざんまで完了させていた。
- 車の制御システムに直接侵入する「CANインベーダー」の手口で、スマートキーなしで車体を傷つけずに盗んでいた。
- トヨタ車を何台も盗んだ後、千葉県八街市のヤードに運搬し、車体番号が刻印された金属板を付け替えて海外へ輸出。
★コンテナ詰め等に使用しているヤードという施設が多くある地域での被害が多い。愛知県、千葉県、大阪府、埼玉県、茨城県、神奈川県
★自動車盗難の手口も、窓を割ってといった原始的方法からピッキング、不正合い鍵作成、赤外線や電波を使用したスマートキーの不正解錠など、巧妙化。
「日本車は壊れにくく丈夫で長持ち」ということで、海外で日本車は人気が高く、特にランドクルーザーやプリウス、レクサスなどが人気。
窃盗団にも狙われています
- リレーアタック:スマートキーが発している電波を中継し、遠く離れた車両を解錠、エンジンを始動させてしまう盗難手口です。この手法を用いることで、鍵が離れた場所にあっても車両を盗むことができる。
- コードグラバー:車の所有者が持つスマートキーの電波をキャッチして車両を解錠するリレーアタックと違い、コードグラバーは鍵そのものを複製してしまうため、より悪質です。犯人はターゲットから100m、場合によっては500m離れていてもスマートキーの情報をコピーできてしまいます。
- CANインベーダー: CANインベーダーは、自動車の様々な情報が集約されるOBDⅡへと不正にアクセスし、盗難する車両を解錠、運転できる状態にします。
具体的には、OBDⅡに繋がる「CAN信号」という配線にアタックすることでシステムへと介入しています。CAN信号は専用の機器さえあれば車外からもアクセス可能で、スマートキーは必要ないというのがCANインベーダーの手法となります。CANインベーダーが成功してしまうと、ドアロックの解錠はもちろん、純正カーアラームの解除や合鍵の作成まで可能。
・ブリキやスチール製の金属缶にスマートキーを入れ、ふたをしっかり閉める。
・電波を遮断するスマートキーケースを使用する。
・スマートキーの設定を微弱電波を出さないようにするモード(省電力モード、節電モード)に切り替える。
・タイヤロック、ハンドルロックを使用して簡単に車に乗れないようにする。物理的に盗難を防止することができるほか、抑止効果がある。(物理的防御)
・防犯カメラ、外周警備など防犯対策の整っている「防犯力の高い駐車場」を利用する。
防犯力の高い駐車場にするために行うことは、防犯環境設計です。
犯罪者が嫌がる環境を作ることが重要です。
その背景にあるのが「侵入防止4原則」です。
① 人目につくのを嫌がる。
② 音が鳴るのを嫌がる。
③ 明るく照らされるのを嫌がる。
④ 時間がかかるのを嫌がる。
屋外駐車場の場合
- 道路、建物出入口等からの見通しの確保
- 駐車場の外周に見通しの良いフェンス等の設置
- 防犯カメラの設置
- モニター及び記録装置の設置
- 夜間に人の行動を視認できる程度の照明の確保(水平面照度が概ね3ルクス)
- 出入口に自動ゲートを設置(推奨)
- 管理者の常駐又は巡回(推奨)
屋内駐車場の場合
- 出入口や監視員室等が良く見える構造
- 死角にはミラー等の設置
- 防犯カメラの設置
- モニター及び記録装置の設置
- 駐車部分の床面には2ルクス以上の照度の確保
- 車路の路面には10ルクス以上の照度の確保
- 出入口に自動ゲートを設置(推奨)
- 管理者の常駐又は巡回(推奨)
屋外駐車場の場合
項目 |
基準 |
区分 |
(1) 構造 |
道路や建物出入口等からの見通しが確保されていること。見通しが悪い部分はカメラの設置で補完すること。 |
必須 |
駐車場の外周(境界部)に周囲と区分された見通しのよいフェンス、柵、垣等が設置されていること。 |
必須 |
(2) 管理者 |
管理者が常駐若しくは巡回していること。 |
推奨 |
(3) 防犯カメラ |
防犯カメラが設置されていること。 ※ 設置する防犯カメラの性能、機能及び台数は、駐車場の規模、管理体制等に応じたものであること。 ※ 車の出入りが可能な出入口には、それぞれ出口に向かう車のナンバーと運転者が確認できる位置に防犯カメラが設置されていること。 |
必須 |
防犯カメラには、モニター及び記録装置が装備されていること。 |
必須 |
(4) 出入口ゲート |
出入口に自動ゲート管理システム(ロボットゲート)等が設置されていること。 |
推奨 |
(5) 照明設備 |
夜間において人の行動を視認できる程度の照度が確保されていること。 注 「人の行動が視認できる程度の照度」とは、4m先の人の挙動、姿勢等が識別できる程度の照度をいい、水平面照度がおおむね3ルクス程度のものをいう。 |
必須 |
地下・屋内駐車場の場合
項目 |
基準 |
区分 |
(1) 構造 |
出入口は、道路や管理人室等から見通しが確保されていること。見通しが悪い場合はカメラの設置により見通しを補完すること。 |
必須 |
可能な限り、柱、壁などが死角にならないような構造のものとし、死角となる場所には、ミラー等が設置されていること。 |
必須 |
(2) 管理者 |
管理者が常駐若しくは巡回していること。 |
推奨 |
(3) 防犯カメラ |
防犯カメラが設置されていること。 ※ 設置する防犯カメラの性能、機能及び台数は、駐車場の規模、管理体制等に応じたものであること。 ※ 車の出入りが可能な出入口には、それぞれ出口に向かう車のナンバーと運転者が確認できる位置に防犯カメラが設置されていること。 |
必須 |
防犯カメラには、モニター及び記録装置が装備されていること。 |
必須 |
(4) 出入口ゲート |
出入口に自動ゲート管理システム(ロボットゲート)等が設置されていること。 |
推奨 |
(5) 照明設備 |
駐車の用に供する部分の床面において、2ルクス以上の照度が確保されていること。 |
必須 |
車路の路面において10ルクス以上の照度が確保されていること。 |
必須 |
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