首都圏で強盗事件が相次いでいる。8月以降、質店や中古ブランド店を狙った事件が神奈川、千葉で発生。東京や埼玉では民家に男らが押し入り、住民に怪我をさせて金品を奪う事件が複数起きている。いずれも犯罪行為を行うことで報酬を得る「闇バイト」が関係しているとされ、その背後にはSNS上で実行犯を集め、匿名性の高い通信手段で指示を出すなどして実態を隠す「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の存在があるとみられている。
警察庁が毎年公表する「犯罪情勢」によると、2023年の犯罪認知件数は前年比17%増の約70万3000件と、戦後最少だった21年(約56万8000件)から2年連続で増加した。内訳をみると全体に占める割合が大きい街頭犯罪とともに、強盗を含む侵入犯罪の伸びが全体を押し上げる格好となっている。同統計では人々が感覚的に感じる治安を意味する「体感治安」に関するアンケート調査の結果も示されており、「ここ10年で日本の治安が良くなったと思うか」との質問に対し、「悪くなった」「どちらかといえば悪くなった」との回答が71.9%にのぼった。この割合も前年の22年(67.1%)、その前の年の21年(64.1%)から増加傾向にある。
こうしたなか、株式投資の観点から 防犯関連株に目を向けたい。22~23年に「ルフィ」を名乗る男らによる広域強盗事件が社会を震撼させたが、この際に関連銘柄が投資家の関心を集める場面があった。ここ数年こうした強盗事件をはじめ、電車内での無差別刺傷事件や政治家への襲撃事件といった凶悪犯罪が次々と発生した。前述の体感治安に関する調査が示すように人々の不安感は高まっており、関連銘柄の活躍に期待がかかる。