コロナウィルスの影響で、在宅勤務、テレワークを推奨する、という政治家のインタビューが毎日ニュースで流れています。
人との接触を8割減らすには通勤をなくし、会社での接触をなくすことがどうしても避けられないと感じます。いくらマスクをしていても電話応対中には飛沫感染の可能性があります。
自分の安全は自分で守る、と言いながら、上司や同僚、隣にたまたま座った人が感染していない、という前提での行為になります。
熱が出たけれども検査を受けれない。その状況の中で、最低2週間、出来ればそれ以上の期間自宅自粛をする、というのが正しい行動ですが、それを守らずに出社している人が相変わらずいるのではないでしょうか?
自分自身も含めて、感染しているという前提で、他人に感染させないための行動をおこなう、というスタンスが重要です。
そうなってくると、やはりある程度の自宅待機、在宅勤務、テレワークということになります。
こうした中で、「在宅勤務は給料を減らす」「6割にする」といったことを耳にすることが増えてきました。確かに、企業も今存続の危機に面しており大変です。
でも、政府が出した緊急事態宣言で在宅勤務しているのに!と考える人も多いと思います。
そこで、専門家のご意見をご紹介します。4月11日朝日新聞の「「コロナ法律相談」で、谷真介弁護士が回答されています。
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「在宅勤務は給料減らす」仕方ない? 会社指示なのに 朝日新聞4月11日
谷真介弁護士 コロナ法律相談 より
新型コロナウイルスが、社会や経済をも急速にむしばみ始めています。新型コロナによって身の回りで起きる様々な問題について、各分野の専門家に記者が解決策を聞きました。(聞き手・平賀拓哉)
Q 新型コロナウイルスの感染拡大の防止措置として、会社の指示で在宅勤務をしています。会社から「出社できないのだから、給料を減らす」と言われました。仕方ないのでしょうか?
A 会社で働くことは売買などと同じく「契約」です。使用者(会社)は決められた賃金を支払う義務が、労働者は労務の提供をする義務があります。一度決めた契約内容を勝手に一方の当事者から変更することはできません。在宅勤務でも、使用者の指揮命令に従って労務提供を行っているわけですから、会社は決められた賃金を契約どおり支払う義務があります。
一方、従業員が会社の意向に反して「コロナウイルスに感染したくないから」と自ら在宅勤務を希望した場合は、従来通りの給与が認められるかは会社との話し合いになるでしょう。
労働契約法によれば、会社と従業員の合意があれば給与を減額できます。会社側が在宅勤務を受け入れる代わりに給与の引き下げを従業員に求めた場合、従業員個人が合意するかを判断しなければなりません。ただし、会社側も出社させたければ、十分な感染対策をとる義務があります。
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〈たに・しんすけ〉2007年弁護士登録。大阪弁護士会の労働問題特別委員会前副委員長で、日本労働弁護団常任幹事。労働者側の立場で労働問題に取り組む。
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ここで重要なのは、会社の「感染予防対策」だと思います。
自分が居ないと会社が回らない、という使命感で少々熱があっても出社してしまう上司に対してきちんと「出社をしないように」と話ができる体制や制度が必要です。
従業員にうつしてしまうリスク、従業員が家族にうつしてしまうリスク、得意先にうつしてしまうリスク。
そうしたリスクをきちんと把握して、自分で自分を律する、ということが、このコロナウィルスを1日でも早く終息させることに繋がると思います
もちろん、在宅勤務でも自己管理をきちんとして成果を出すことが大前提となるのはいうまでもありません。
企業が行えるコロナウイルス対策
●在宅勤務(テレワーク)への対応
●リモートワーク環境の導入および整備
●密閉・密集・密接(三つの密)を防ぐ工夫
●交代制による少人数体制(最低7割減)での出勤
●期間限定または特別な人事制度の導入
●従業員の相談窓口設置
●特別有給休暇の付与