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集団免疫

日本でも緊急事態宣言が徐々に解除され、首都圏と北海道をのぞいては、営業自粛も解除されつつあります。
警戒をしながらも「新しい生活習慣」の下、企業の経済活動が開始され、人々の生活が少しずつ戻りつつあります。

中国や欧米の「ロックダウン」のような厳しい外出禁止措置を取らず「国民にお願いする」というスタンスでの緊急事態宣言の中で、色々と問題は山積みではありますが、死亡者数などは他の国と比べても少なく、
「奇跡的な成功」と言われています。

背景には、
● 日本国民の衛生意識が元々高く、清潔好き。手洗いやうがいなどは習慣になっている。
● 元からインフルエンザや花粉症対策で、国民の多くがマスクを日常的にしている。
● 握手やハグなど欧米のような濃密接触になる習慣がない。
● 日本語は英語に比べて凹凸が少なく、飛沫感染しにくい。
● 日本家屋は土足厳禁で、玄関で靴を脱ぐ習慣がある。土足のままだと絨毯にウィルスがついた場合には埃と一緒に舞い上がる可能性がある。
● ロックダウンのように、軍隊による制限や罰金などがなくても、大多数の国民が真面目に外出自粛をすることができる。
といったことが背景にあると思われます。
中国などはカメラの個人識別等を活用し、国民の管理強化で、非常に厳しい行動管理を行いました。
フランスやイタリア等も「ロックダウン」を行い、外出制限をしている映像がテレビなどでも流れていました。

ここで、特徴的なのがスウェーデンです。
逆にスウェーデンでは「集団免疫を作る」ことを目的に、ロックダウンなどをせず、緩やかな制限で対応しています。
「集団免疫」とははある感染症(ここではCOVID-19)に対して集団の大部分が免疫を持っている時に生じる間接的な防御作用であり、免疫を持たない人を保護する手段とされています。
多数の人が免疫を持っている集団では、感染の連鎖が遮断される可能性が高く、感染症の拡大が収まるか穏やかなものになると考えるものです。

免疫を誘導するものとしてはワクチン接種です。ウイルスに感染することでも免疫は得られます。今回の場合はCOVID-19用のワクチンはいまだ開発途上であり、すぐに応用することはできません。
集団で免疫を持つ人の割合が一定の値に達すると、集団免疫によって感染症が徐々に集団から排除されるようになり、世界中で達成されれば感染者数は永続的にゼロまで減少する可能性があります。この状態が撲滅または根絶と呼ばれるものであり、この手法によって天然痘は1977年に撲滅されました。


スウェーデン政府は国民に、発熱やせきなどがあれば自宅療養する▽他人とは社会的距離をとる▽可能なら在宅勤務する▽70歳以上は出来るだけ他人と接触しない――などと要請。
要請にとどめている点は日本と共通しています。50人超の集会は禁止され、店での飲食は席と席の間隔を開けるなどの制約はあるものの、学校も中学以下は休校しないなど、人々の生活は以前とさほど変わっていません。
スウェーデンの新型コロナウイルス対策をめぐっては、経済的打撃が少ないとして期待が寄せられる一方、高い致死率など感染拡大のリスクに懸念も出ています。
 スウェーデンでは感染が広がる中でも小中学校は開校し、飲食店やジムも通常通りの営業を続けている。集会も50人以下なら可能。学校閉鎖や外出禁止といった厳しい規制を敷く国が多い欧州で異色の対応だ。首都ストックホルムのカフェやレストランは今も、食事や会話を楽しむ人々でにぎわいを見せる。
 政府は、封鎖の代わりに国民に「責任ある行動」(ロベーン首相)を求め、他者と距離を保つ「社会的距離」の実行を呼び掛けています。これに対して大方の市民は、政府方針を許容しているようです。
少し前の4月末の数字ですが、スウェーデンはこれまでに2万1000人近くが新型コロナウイルスに感染したと報告しており、このうち2500人近くが死亡しています。
感染者の死亡率はノルウェー(約2.6%)の6倍近く、同じ北欧のフィンランド(約4.2%)やデンマーク(約4.9%)と比べても3倍近くにのぼる。かつて中国以外で最も高かったイランの感染者死亡率(約6.3%)も、スウェーデンの半分ぐらいになるなど、感染者数を見ても、スウェーデンの感染者数はデンマークの2倍以上、ノルウェーの3倍近くで、フィンランドの4倍以上に達しています。
今後第2波、第3波が出てきた時にこの「集団免疫」がどう活かされるのかが注目されます。
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