ちょっと驚くべき数字です。(以下毎日新聞11月15日)
<国重要文化財>85件が行方不明 その内57件は盗難届
文化庁は15日、国の重要文化財に指定されている刀、仏像などの美術工芸品のうち、少なくとも85件の所在が分からず、うち国宝6件を含む57件で盗難届が出されている、と発表した。同庁は今後、国指定重文の美術工芸品約1万500件を全数調査するとともに、所有者に国への届け出の徹底を求める。
文化庁によると、同日時点で盗難届が出され所在不明となったままの重要文化財は57件(部分的な盗難を含む)で、うち6件は国宝だった。また、今月上旬、所在不明と報道された重文73件について緊急調査したところ、既に把握していた盗難分以外に新たに28件が所在不明であることが判明し、合計85件となった。
国宝など重文の所有者は、文化財保護法で売買や移動、相続する際、国への届け出が義務付けられているが、徹底されていないのが実態。江崎典宏美術学芸課長は「調査結果は衝撃的だ。今後は所有者や所在地をしっかり把握しなければならない」と話している。
◇盗難届が出され所在不明のままの国宝(届け出順)
金銅燈籠(とうろう)1基(奈良・興福寺。最上部の擬宝珠がもぎ取られた)▽木造兜跋毘沙門天立像(もくぞうとばつびしゃもんてんりゅうぞう)1体(京都・教王護国寺。収蔵庫で陳列中宝塔を盗まれる)▽同像に付属する鈴2個(同。宝物館1階展示中になくなっていた。ただし鈴自体は国宝指定外)▽木造四天王立像(東金堂)広目天の結び紐(ひも)(奈良・興福寺。拝観中に盗まれる)▽木造四天王立像(東金堂)多聞天左膝下の結び紐(同。国宝館陳列中に盗まれる)▽塑造四天王立像(所在戒壇堂)4体のうち増長天が右手に持つ戟(げき)の石突部(奈良・東大寺。拝観者の指摘により判明)
(毎日新聞 11月15日(金)より引用)
今、仏像ガール 等といった言葉があるように
仏像がちょっとしたブームになっています。
京都や奈良などでは古くからの仏像がマジかで見られる寺も多く
この秋にも多くの観光客で賑わっています。
反面、泥棒の世界でも仏像盗難がここ何年もずっと多発している状態です。
日本だけでなく海外でも高値で販売されているようで、重要文化財以外の仏像の方が「足がつきにくい(追跡されにくい)」と狙われています。
その中で、重要文化財がこんなにも多く行方不明になっている、というのはちょっと驚きであり、情けない気分にもなります。
拝観中の被害が相当数あり、中には拝観者に指摘されて被害に気がついたケースもあるようです。
被害に遭った仏像やその一部は、言葉通り寺の宝であり、国民の宝です。
何百年もの長い時間、多くの人が大切に大切に守り、伝えてきたものを
悪意のある人間により一瞬に奪い去られた、破壊された、ということが
非常に残念でもあり、悲しいことだと思います。
神仏をも恐れぬ罰あたりな行為だと憤りを感じます。
でもこれが今の日本の現実なんです。
「そんなことをしたら罰があたる」「いつでも神さんが見てるから悪いことはできん」なんて考えが日本から薄れてきているのではないかと思います。
拝観中の犯罪も多いため、こういうことが原因で拝観することができなくなるものも出てくるのではないかと危惧してしまいます。
仏像盗難に対しては、こうした罰あたりな人間が多くなってきていることを踏まえてやはり予防のための対策をきちんと行うことが重要だと思います。
防犯対策としては、
● 敷地内に拝観時間外に侵入させないための外周警備システム
● 仏像の近くに侵入したり、仏像を持ち上げようとした時に音と光で威嚇撃退する自主機械警備システム。
● 抑止のための防犯カメラ
などがあります。
放火対策、仏像盗難対策、賽銭盗難対策など、犯罪を未然に防ぐ対策を
お勧めします。
傾斜検知送信機
下敷式盗難検知ホルダー