コロナウィルスで自粛。三密で友人と会うことも制限。
そんな中で、山の中に入って、今が旬のタケノコやワラビ、ゼンマイなど山菜をとって家に帰る。リフレッシュもできて一石二鳥!と考えられている方も多いのではないでしょうか?
でも、ちょっと待ってください。
そのタケノコや山菜は誰の物?自然の恵みと言っても、その土地は所有者がいて、その方が収穫しようとされているのです。
勝手に他人所有の山に入ってタケノコや山菜などを取るには絶対にやめましょう。
森林窃盗、という罪になります
Yahooニュース 5月6日の弁護士ドットコムにて下記が掲載されていましたので、その一部をご紹介します。
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自生しているタケノコなどを取った場合、法的にも問題になるのでしょうか。好川久治弁護士に聞きました。
●「森林窃盗」という犯罪にあたる
ーー収穫シーズンを狙った泥棒のようですが、犯罪になりますか
山に自生している植物であっても他人が所有する物を勝手に採取すれば「森林窃盗」という犯罪になります。かつて県道沿いの山からモミジの木を抜いて持ち帰った県議が書類送検されたということもありました。
ーー「森林窃盗」はどういう罪なのでしょうか
森林窃盗は、森林法が定める犯罪で、「森林においてその産物(人工を加えたものを含む)を窃取した者は、森林窃盗とし、3年以下の懲役または30万円以下の罰金に処する」と定められています。盗んだ場所が保安林であれば、「5年以下の懲役または50万円以下の罰金」に処せられます。
「森林」というのは、文字通り竹木が生い茂っている場所とその上にある竹木のことで、木々が生い茂っている山が典型です。
「産物」とは、有機物、無機物を問わず、森林から産出される一切の物で、竹木、果実などの植物のほか、鉱物、溶岩、土砂などが含まれます。筍やマツタケ、ゼンマイなどの山菜もこれに該当します。
立ち入り禁止の看板を無視して山に入って採取したとすれば軽犯罪法の「入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者」にも該当します。
ーー「窃盗罪」とはどう違うのですか?
刑法の窃盗罪の法定刑は、「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」ですので、森林窃盗罪は、刑法の窃盗罪よりも刑が低く抑えられています。
森林の産物の占有状態が緩やかであること、森林の産物は自然発生的なものが多いこと、森林については地元の住民が産物を採取するなどの慣習が広く存在したことなどが理由だとされています。
【取材協力弁護士】
好川 久治(よしかわ・ひさじ)弁護士
1969年、奈良県生まれ。2000年に弁護士登録(東京弁護士会)。大手保険会社勤務を経て弁護士に。東京を拠点に活動。家事事件から倒産事件、交通事故、労働問題、企業法務まで幅広く業務をこなす。趣味はモータースポーツ、ギター。
事務所名:ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
事務所URL:https://www.yoshikawa-lawyer.jp/
出典:弁護士ドットコムニュース編集部 より一部引用
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海の場合は、生簀などを除き、魚釣りなどで得た魚は持ち帰ることができます。一部ウニなどは除きます。
しかしながら、山の場合には所有者がいるのです。
これは、山に咲いている花も同じです。よく桜の枝や花を持ち帰る人がいますが、これも森林窃盗になります。
農作物などの盗難も全国で増えています。こちらは収穫した果物や収穫を目前にした果物などが一晩で大量にトラックなどで盗まれ、転売されるものです。多くの農家の方が対策をしていますが、広域な場所を守ることは中々難しいです。こちらは侵入窃盗の犯罪です。
タケノコ掘りなどはそれに比べたらかわいい、と思われるかもしれませんが、やはり他人のものを盗んでいる、ということになります。森林窃盗という罪になることを十分に把握して自粛していただければと思います。