「痛恨の極み」=マルハニチロ社長ら陳謝-管理体制不備認める
記者会見場には自主回収したものと同種の冷凍食品が並べられた。奥は頭を下げるマルハニチロホールディングスと子会社アクリフーズの両社長ら=25日夜、東京都江東区のマルハニチロホールディングス本社
農薬混入事件で契約社員が逮捕されたことを受け、マルハニチロホールディングス(HD)の久代敏男社長や子会社のアクリフーズの田辺裕社長らが25日夜、東京都江東区のHD本社で記者会見し、「痛恨の極み。お客さまに多大な不安を与え、深くおわびする」と謝罪した。
アクリフーズによると、逮捕された阿部利樹容疑者(49)は2005年10月の入社から一貫してピザ生地の加工を担当していた。給料は三段階あるランクの真ん中。新入社員の面倒を見るなど明るい性格で、勤務態度に問題はなかったという。職場への不満などについて、同社幹部は「特に報告を受けていません」と繰り返した。 今月6日以降は返品された商品に関する作業を担当。10日に事件に関する社内のヒアリングを受け、14日の勤務を最後に無断欠勤。上司が携帯電話に連絡したが、不通だった。
出席した幹部は「(同容疑者は)ピザ生地以外を作ることはない」と説明したが、群馬工場内では各部屋は施錠されておらず、従業員であれば自由に移動できたという。 従業員の制服にポケットはついていないが、入室前にボディーチェックなどはしておらず、私物の持ち込みも可能だった。「基本動作を怠った」「大変な不備があった」。田辺社長は神妙な顔つきで繰り返した。(2014/01/26-00:34)
工場包装室で混入か=業務で立ち入り可能―農薬混入、逮捕の契約社員・群馬県警 時事通信 1月27日(月)6時6分配信
マルハニチロホールディングスの子会社アクリフーズ群馬工場(群馬県大泉町)製の冷凍食品に農薬のマラチオンが混入された事件で、偽計業務妨害容疑で逮捕された契約社員阿部利樹容疑者(49)が、工場内の包装室に立ち入り、農薬を混入した疑いのあることが27日、捜査関係者の話で分かった。同容疑者はピザの加工ラインを担当していたが、加工担当者が包装室に入ることは、業務の一環として行われていたという。 県警は、農薬混入が確認された10月3日~11月5日の10日間に、阿部容疑者が包装室に出入りしていなかったか、当時勤務していた従業員らを事情聴取して確認を進めている。
阿部容疑者が勤務していたピザ生地生成のラインは、他のラインより隣の従業員との間隔が広く、混入は比較的容易な状況だった。ただ、同容疑者は少なくとも、ピザ以外にコロッケ2種類とチキンナゲットにも混入したとされる。
同工場の製造ラインは、ピザ、コロッケ、フライなどに分かれ、別々の部屋に仕切られている。各部屋で加工された食品は全て、施錠された急速冷凍室を経て、仕切りのない包装室に送られる。
同社や従業員の話によると、各ラインの部屋は未施錠だったが、加工作業中に担当者以外が出入りすれば目立ち、ライン上の製品に手を出すことは困難だった。一方、同工場は次工程のチェックを奨励しており、加工担当者が包装室に入って出来上がりを確認することは、業務の一環だった。