2023年10月23日
EV化で泥棒が増える?
2035年でガソリン車の販売が終わるとか終わらないとかで最新技術が詰め込まれている電気自動車ことEV。(エレクトリック・ビーグル)
EV化で泥棒が増えるかもしれないという記事を見つけたので
原因を探ってみましょう
EV化で泥棒が増えるかもしれないという記事を見つけたので
原因を探ってみましょう
高騰する銅価格
今、銅が狙われている。ドイツ鉄道(DB)は鉄道沿線に敷いているケーブルの盗難により、2022年だけでも約660万ユーロ(約10億円)の損害を被った。さらには、ケーブルの盗難が依然と続いており、2023年はすでに2644本の列車に影響して、700時間以上の列車遅延が発生している。
もちろん、ドイツで銅の盗難被害にあうのは鉄道だけではない。建設現場、教会、ガスパイプライン、リサイクル会社などにも被害が及んでいる。ドイツのリサイクル業者の団体は、ドイツでは顧客システムに銅の売買が記録されるため、盗難された銅はコンテナなどで海外に持ち出されているとにらんでいる。 犯行そのものが大掛かりとなり、その場で見つかるリスクを背負ってまでも銅製品を盗難したくなる背景には、昨今の銅価格の高騰がある。ここで、日本国内の売買の基準となる銅建値の推移(年平均)をみてみよう。
・2000年:233.6(円/kg)
・2010年:704.2(円/kg)
・2020年:700.2(円/kg)
・2021年:1067.6(円/kg)
・2022年:1202.4(円/kg)
このように、2021年に1000円台にのせ、2022年には1200円を突破して、わずか2年で約1.7倍にもなっているのだ。2000(平成12)年と比較すると 「約5倍」 であり、「銅なんて」と軽んじられていたのは、もはや遠い過去のことである。
もちろん、ドイツで銅の盗難被害にあうのは鉄道だけではない。建設現場、教会、ガスパイプライン、リサイクル会社などにも被害が及んでいる。ドイツのリサイクル業者の団体は、ドイツでは顧客システムに銅の売買が記録されるため、盗難された銅はコンテナなどで海外に持ち出されているとにらんでいる。 犯行そのものが大掛かりとなり、その場で見つかるリスクを背負ってまでも銅製品を盗難したくなる背景には、昨今の銅価格の高騰がある。ここで、日本国内の売買の基準となる銅建値の推移(年平均)をみてみよう。
・2000年:233.6(円/kg)
・2010年:704.2(円/kg)
・2020年:700.2(円/kg)
・2021年:1067.6(円/kg)
・2022年:1202.4(円/kg)
このように、2021年に1000円台にのせ、2022年には1200円を突破して、わずか2年で約1.7倍にもなっているのだ。2000(平成12)年と比較すると 「約5倍」 であり、「銅なんて」と軽んじられていたのは、もはや遠い過去のことである。
自動車のEV化で需要が高まる銅
気候変動対策や生活様式の近代化により、以前より増して銅の使用量が増えている。
電気自動車(EV)は、モーターや配線に多量の銅を使用している。国際銅協会(ICA)によると、ガソリン車は1台あたり約23kg、EVは約83kgと、EVは 「ガソリン車の3倍以上」 の銅を必要としているのだ。
また、風力発電設備も銅の使用量が半端ではなく、国際エネルギー機関(IEA)の推計によると、洋上風力発電所は 「ガス発電所の7倍以上」 の銅が必要になるという。
気候変動対策として
・自動車のEV化
・風力発電の拡大
が進むと、皮肉にも銅の需要が跳ね上がり、価格が高騰するジレンマに陥っているのである。
また、銅の国別消費量の推移をみると、2000年以降中国だけ、銅の消費量が異常に伸びていることがわかる。これは、工業化、エアコンなどの電気製品の普及、それにともなう発電・送電設備の増加と、中国国内の近代化によるものだ。
2016年の実績でいえば、中国は消費した銅の約50%を電力設備に使ったとのことだ。この50%を量で例えるなら、日本で消費する量の 「約6年分」 に相当するという。
そして、次にはインドの高度成長が控えている。インドの経済成長により、銅の需要が今後ますます高まるのは確実であり、銅の価格は上がりこそすれ下がることはないといってもよいだろう。
電気自動車(EV)は、モーターや配線に多量の銅を使用している。国際銅協会(ICA)によると、ガソリン車は1台あたり約23kg、EVは約83kgと、EVは 「ガソリン車の3倍以上」 の銅を必要としているのだ。
また、風力発電設備も銅の使用量が半端ではなく、国際エネルギー機関(IEA)の推計によると、洋上風力発電所は 「ガス発電所の7倍以上」 の銅が必要になるという。
気候変動対策として
・自動車のEV化
・風力発電の拡大
が進むと、皮肉にも銅の需要が跳ね上がり、価格が高騰するジレンマに陥っているのである。
また、銅の国別消費量の推移をみると、2000年以降中国だけ、銅の消費量が異常に伸びていることがわかる。これは、工業化、エアコンなどの電気製品の普及、それにともなう発電・送電設備の増加と、中国国内の近代化によるものだ。
2016年の実績でいえば、中国は消費した銅の約50%を電力設備に使ったとのことだ。この50%を量で例えるなら、日本で消費する量の 「約6年分」 に相当するという。
そして、次にはインドの高度成長が控えている。インドの経済成長により、銅の需要が今後ますます高まるのは確実であり、銅の価格は上がりこそすれ下がることはないといってもよいだろう。
銅の盗難増加は時間の問題
限られた銅の供給元および爆発的な需要の拡大により、銅の価値は高まるばかりである。
冒頭のDBの事例のような換金や転売を目的とした銅の盗難はもはやひとごととはいえない。盗難グループにとっては、お金になればそれでよいのであり、鉄道が止まろうが、社会が困ろうが関係ないのだ。
近所のご老人から、 「その昔、朝起きたら水道管が盗まれていて水が使えなかった」 という話を聞いたことがあった。戦後の混乱期ならさもありなんと聞いたものだが、現代でも十分あり得る話だ。
また、道路の側溝のふたに使用されているの、盗難被害が後を絶たないのはご承知のとおりだろう。盗難グループの矛先が銅に向かうのは、時間の問題なのかもしれない。
今後ますます銅の価格が上がり続けて、盗難が増えるだけでなく、銅を使用した硬貨の金属としての価値が額面を上回る、あるいはUSB充電ケーブルや電化製品のケーブル類が高級品となるのは、あながち夢物語とはいえなくなるのかもしれない。
冒頭のDBの事例のような換金や転売を目的とした銅の盗難はもはやひとごととはいえない。盗難グループにとっては、お金になればそれでよいのであり、鉄道が止まろうが、社会が困ろうが関係ないのだ。
近所のご老人から、 「その昔、朝起きたら水道管が盗まれていて水が使えなかった」 という話を聞いたことがあった。戦後の混乱期ならさもありなんと聞いたものだが、現代でも十分あり得る話だ。
また、道路の側溝のふたに使用されているの、盗難被害が後を絶たないのはご承知のとおりだろう。盗難グループの矛先が銅に向かうのは、時間の問題なのかもしれない。
今後ますます銅の価格が上がり続けて、盗難が増えるだけでなく、銅を使用した硬貨の金属としての価値が額面を上回る、あるいはUSB充電ケーブルや電化製品のケーブル類が高級品となるのは、あながち夢物語とはいえなくなるのかもしれない。
EVシフトがこのまま進めば、世の中に「泥棒」が増えるかもしれない 10/22(日) 21:31(Merkmal)
日本では太陽光発電所が狙われている
文章の最後の、硬貨の金属としての価値が額面を上回るはなかなかないと思いますが…
銅が高騰して、狙われている背景はよくわかりましたね!
例えば日本で銅が盗まれる場所として代表的なのが太陽光発電所です。ここでは銅線が使用されており、切断されて盗まれることがあります。
上図は太陽光パネル対策についてまとめたリンクとなっておりますのでご確認ください。
銅が高騰して、狙われている背景はよくわかりましたね!
例えば日本で銅が盗まれる場所として代表的なのが太陽光発電所です。ここでは銅線が使用されており、切断されて盗まれることがあります。
上図は太陽光パネル対策についてまとめたリンクとなっておりますのでご確認ください。