メディア紹介
活躍する防犯設備士「抑止力の効果と活用」日防設ジャーナル2017.11
「抑止力の効果と活用」
福島県防犯設備協会
株式会社メディアシステム 代表取締役 渡邊 弘志
(防犯設備士資格番号 第08-17394号)
平成20年に防犯設備士資格を取得しましたが、それまでは、通信機器や防犯カメラのシステムを中心に防犯に取り組んでおりました。
「抑止効果は一つではない」
ある広大な駐車場で車両へのイタズラが多発しており、試験的にダミーカメラを設置していましたが無くなる事はありません。さらに、大きめの看板で「皆様の貴重な車両を防犯カメラで監視していますが、個人での管理もお願いします・・・」を表示した後は、嘘のように無くなりました。
また、あるコンビニで照明が建物側を照らすように設置されており。駐車場の薄暗いところで頻繁に車輌被害があり、防犯カメラ映像にも行為が記録されておりました。改修の際に、コンビニ側から駐車場側へ照明の向きを変えたことで、明るくなった駐車場での被害が皆無となりました。
今年は地域の方々に、抑止効果も含め、防犯機器を幅広く知っていただきたいと、防犯カメラ、防犯ライト、センサー等の他に、ネットランチャーやフォグガードの霧噴射実演等も含め、各種防犯機器の展示会も行いました。
「防犯は自分中心ではない」
カギや建物部位等の防犯設備よりは防犯カメラを意識し過ごしてまいりましたが、防犯設備士免許取得後、そして平成23年2月の福島県防犯設備協会設立に関わり、警察関係をはじめ、防犯に取り組まれている多くの方々の存在と、意識の高さを学びました。
全国地域安全運動県民大会においては、福島県防犯設備協会仲間と、防犯カメラの他に、ドアガード、補助錠、内格子、合わせガラス等の部位が防犯面で大いに役立つ説明と、体験型イベントをさせて頂きましたことは、発表側としても再認識させられました。
ソフト面では、地域安全標語入選作品を作詩にし、会員が作曲、編集して、毎年入選作品から作詩だけを変え、歌を広めることで安全標語がさらに意識されるとの願いを込め、防犯活動の際に演奏を行っております。
防犯カメラも単なる映像を撮影することから、技術の向上で、設置現場の環境、使用条件等による選択肢が増えております。さらに、カメラ以外の防犯機器も日々進化しており、組み合わせをする事で、多様なニーズにお応えできるようになりました。その為にも、地域協会や全国で防犯に取り組んでおられる方々と連携し、学習と経験をすることが、安全・安心な環境づくりに必要と考えます。
「防犯カメラの効果」
日本防犯設備協会で昨年度から始めた「賃借制度による防犯カメラ」が、熊本地震後の被災地に設置され治安維持に大いに役立たれたと伺いました。熊本での任務終了後に、福島県警察本部から各警察署管轄の要望箇所に設置協力をさせて頂きました。
設置後短期間ですが、下記のような評価を頂いております。
1. 刑法犯認知件数の減少 前年同期比-8.3%
2. 行方不明者を防犯カメラ映像から所在を割り出せた。
3. 暴行事件における犯人の人着を割り出せた。
4. 子供の遊び場になっている箇所が、付近住民から安心できると好評を得た。
5. 窃盗事件で捜査に活用・・・等の効果により、設置期間の延長を依頼しました。
防犯カメラが必要としない安全・安心な環境となることを願いながらも、犯罪抑止として、まずは地域の点から線、そして面に設置する事で効果が増すものと考え普及に努めています。
「防犯設備士として」
防犯抑止の方法は、それぞれの環境により異なり、適切な対応が求められます。
防犯設備士として、犯罪の被害に遭わない安全・安心な環境づくりをすることにより、犯罪者にさせないことにもつながると思いこれからも活動してまいります。