メディア紹介
「話題の企業 その後、その先」セキュリティハウス福山
社会の要求が高まればその分野のビジネスは成長する
社会のシステムがめざましく変わっていく中で、人々の「安全・安心・快適」への欲求は年々高まるばかり。㈱プロテック(福山市南蔵王町6-18-40 永井健三社長、電084-943-6444)は創業以来、生活の基本要件、衣・食・住の中でも「住」に特化し「人々の生命と財産を守る」を基本理念として事業を進めてきた。
住宅、街頭、地域など様々なエリアに設置する「消防用設備」「防犯設備」など、人々の安全を守るシステムを手がけてきた。社会の要求が高まれば、その分野のビジネスは成長する。昨年、本社社屋が手狭になったため、社屋を新築し移転した。社会の要求に応えるために事業拡大に取り組み注目企業「プロテック」を取材した。(稲毛一郎)
新聞記事が企業させた
1972年(昭和47年)に千日前アパート(大阪市)の火災で118人が亡くなった。その後温泉旅館など大規模の火事が多発し、新聞紙面で大きく取り上げられた。
当時の消防法は、消防設備の設置は法整備されていたものの、点検の義務は定められていなかった。75(昭和50)年に消防法の大改訂が行われ、大型施設の消防設備設置から、管理・点検まで細かく定められる。
この時、永井社長は「「消防設備に関係する仕事をすれば社会に役立つと同時に、大きなビジネスチャンスがある」と考えた。これがこの業界に入った起点だという。
「どこかで丁稚奉公を」と消防設備関係の会社に就職。消防設備設置工事、保守管理、点検など一通り学び消防設備士の資格を取得する。
会社には2年勤務してその後独立し81年、山陽プロテックを設立する。はっきりとしたビジョンを描いた創業だった。
弱電分野に取り組む
消防設備は直流の12V、24Vを使って制御している。例えば火災感知器は直流12V、照明器具は交流の100Vを使っている。この直流12、24Vなどを弱電と呼び、交流100vなどを強電という。創業後、消防用設備から弱電、強電と通信に関するノウハウを学んだ。
電気工事会社は一般的に強電を扱うことが多く、弱電は不得意としている。プロテックは電気工事会社が不得意としている分野を補完することで伸びてきた。
87年には、セキュリティ産業にも参入し「セキュリティハウス福山」を創業している。
多くの有資格者が在籍する技術者集団
同社には「資格を取得し専門分野のプロになろう」という社風があり、消防設備士を始め、電気工事、電気通信、光ファイバー、無線従事者など各分野での免許取得者が多い。
中でも「情報通信エンジニアリ」の分野に力を入れ、資格取得に傾注している。
防犯設備のプロ「防犯設備士」を取得した者が28人在籍しており、全国の街の安全・安心のために活躍している。
永井社長は「企業は、たとえ事業が上手くいっていたとしても、あえて毎年裸にしていく(初心に帰る)ことが必要です。」と謙虚に話す。
「人々の生命と財産を守る」という理念と同じく時代を合わせ、社会が必要としている事業に取り組むー
この姿勢は今後も変わらないだろう。