入院施設のある医療機関では、夜間であっても、
いつでも出入りできる場所がどこかにあります。
まして、昼間の時間帯であれば、
病院関係者、入院患者、付添の家族、見舞客、
医療関連の出入り業者、清掃、保安などの
施設管理業者従業員など様々な人たちが多数出入りしているので
どんな格好をしていても、特段、不審がられないことがあります。
こんな医療機関で起こる犯罪は、医療機関特有の物から、
どこででも起こる犯罪まで実にいろいろです。
●ノートパソコンなどの病院備品の盗難
(カルテ等個人情報漏洩)
●入院患者や医師等病院関係者の現金や貴重品の盗難、
●劇薬を含む医薬品の盗難、
●新生児の盗難、
●治療に不満を持つ患者の暴力行為
などがあります。
また、点滴への消毒液を混入させ入院患者が亡くなるという殺害事件が発生しました。その病院ではその前にもカルテのん抜き取り、飲料水への塩素混入、エプロン切断など異物混入殺害への助走のような軽犯罪が発生していました。
医療機関では流石にナースセンターや事務室には自由に立ち入れませんが、
病室には見舞客を装って、病室には簡単に入れます。
そして、検査でベッドを離れている患者の持ち物を物色していても堂々と行えば、まず咎められません。
建前では、病室にはナースセンターに寄らないと入れないようになっていますが、
有名無実で立ち入り自由となっています。このような病院の防犯は非常に難しいと言えます。
病室内への厳しい入室制限は「医療機関の持つ地域に開かれた医療を行う」
と言う大義の面から実施することは、かなり難しいと言えます。
恐らく見舞いをするだけで、身元を明らかにし、
入退室を厳密に管理されるような病院は市民から嫌われて、
患者が遠のき医療機関が地域に果たす役割を果たせなくなる可能性があります。
病室内に鍵がかかり、簡単に持ち出しできないような備品を備えて
入院患者の管理に任せるより仕方がないことで、
それ以上の管理を医療機関に求めるのは酷と言えます。
従って、医療機関で行われる病室以外の防犯は主に以下となります。
・事務所には、認証による24時間入退室管理システムを導入する。
・同時に認証されていない侵入者を検知したら警告を発するとともに
・異常発生を報告するシステムを導入する。
・管理が必要な主要な場所に監視カメラによる自動録画システムを導入する。
・医薬品など犯罪に使われるものは管理も厳しくし、在庫管理などを頻繁に不定期に行う。
院内暴力やトラブル等の可能性が有ると思われる場合は、
緊急通報システムをあらかじめ要しておくなどの周到さも大事です。