HOME >
メディア紹介 >
雑誌 > 月刊電気と工事 (2015年3月1日発行)に「太陽光発電の盗難防止」の記事が掲載されました。
メディア紹介
月刊電気と工事 (2015年3月1日発行)に「太陽光発電の盗難防止」の記事が掲載されました。
どうやって防ぐ?太陽光発電の盗難防止
<掲載誌一部抜粋>
「メンテナンスとセットで考える盗難対策
太陽光発電設備の設置場所の環境によっても、窃盗しやすい場所であると
印象を与えることがあるという。
メンテナンスがなされておらず、架台周りの雑草が伸び放題になり、発電パネル
上に鳥のフン害などの汚れが目立つような設備であると、めったに人が訪れない場所と見られ、
窃盗しやすい場所との印象を与えるそうだ。
逆に雑草などが常にきれいに刈り取られ、発電パネルも定期的に清掃されているような設備の場合、
人が定期的に来ている場所として、窃盗がしにくい場所と認識される。
このため、太陽光発電の汚れや雑草の様子を確認する遠隔監視システムなど、防犯対策としても
活用できる。このシステムでは、外周警備システムと連動してセンサが反応したことを知らせ、
リアルタイムに遠隔地からスマートフォンやタブレットを使って確認ができる。」
1.増えている太陽光パネルの盗難
筒泉氏によると、太陽光発電設備の盗難は昨年あたりから顕在化してきているそうだ。例えば滋賀県では、昨年一年間で11 件のメガソーラーにおける盗難が発生。送電用のケーブルが盗まれている。
太陽光発電設備がねらわれる理由として、まず太陽光発電の設置される場所的な要因が大きいという。多くの中・大規模発電は、人里離れた場所に設置されるケースが多い。また、野立の発電設備など基本的に屋外にあるものなので、侵入を阻止することも難しい。さらに、メガソーラーなど設置される範囲が広いので、対
策を立てにくい。
なお、窃盗がよく行われる夜間には、発電をしていないため、遠隔で電力を監視していても朝まで気づかれないこともある。
また、最近の資材不足など材料費の高騰や電線材料である銅の値段なども盗難発生の増加に関係しているようだ。
2.盗まれる部材
すでに設置されている太陽光発電の設備の場合、最も盗まれるのがケーブルや電線だ。貴金属である銅をねらって行われる。昨年の滋賀県で起きたあるメガソーラーの窃盗では、2.8k m分ものケーブルが盗まれたという。
また、工事中の場合、パネルや架台などもねらわれるそうだ。一昨年、茨城県にあるメガソーラーの建築現場では、太陽光発電パネルが138枚盗まれる事件も起こっている。
これらケーブルやパネル、架台など、盗難から守る対策が必要になってきている。
3.侵入防止4原則
まず、窃盗を行う者を、その場所に侵入させないことが前提となる。野立の太陽光発電設備など、侵入防止用のフェンスを設けることは必須といえるだろう。そのうえで、窃盗を行う者の心理的な傾向から「侵入防止四原則」があるという。
① 目
窃盗を行おうとする者は、ほかの人の「目」を気にする。見られていることを意識させることが重要だという。これは防犯カメラが有効だそうだ
(写真1)。よく防犯カメラを犯人の見えないところから、記録するために設置しようと考える人もいるが、効果は低い。
むしろ、窃盗犯がカメラに撮られていることを意識させる、見られていると感じさせるように設置することによって、効果が増すという。
またダミーのカメラで、窃盗犯を威嚇する方法もあるが、盗難対策に本気ではないと思われ、むしろ逆効果になる場合もあるので注意が必要だ。
② 音
これもほかの人の目を意識する窃盗犯の心理を利用したものだ。赤外線センサ(写真2)によって侵入時に声や音が鳴り、周囲に広く知らせることにより、窃盗犯の犯行を行おうとする気持ちをそぐ。
③ 光
窃盗を行おうとする者は、基本的に明るい場所を敬遠するという。これは、侵入や犯行を見られることを恐れているからだ。そのため、犯人が近づいたときにセンサで照明を点灯させ、なおかつ防犯カメラを意識させる。また音やフ
ラッシュ光などで警告を発する(写真3)、などを行う設備を設置しておくと、犯人の犯行を行う気持ちを弱める。
④ 時間
さらに、侵入に時間がかかることを窃盗犯は恐れる。場所によっては、フェンスなどに有刺鉄線を設置するなどの対策により、侵入に必要以上に時間がかかると判断すれば、窃盗犯はねらう対象から外す。
これら備えをしっかりと意識させ、窃盗の対象にされないようにすること、つまりねらわれないようにすることこそ、最大の盗難対策になるとのことだ。
4.考えておきたい施工前からの盗難対策
竣工後の盗難対策は、以上のような内容をオーナーに提案できるが、問題は施工中の盗難である。仮に運営においてしっかりした防犯対策後行われる予定でも、施工中に同様の対策が行われるケースはまれだろう。そのため、施工
する側も最低限の対策を講じておく必要がある。
その際にヒントとなるのが、先ほどの「侵入防止四原則」だ。また、パネルや架台は設置前に盗まれることが多いため、搬入から設置までの工程を工夫するなどの対応も考えられるだろう。
5.メンテナンスとセットで考える盗難対策
筒泉氏によると、太陽光発電設備の設置場所の環境によっても、窃盗しやすい場所であると印象を与えることがあるという。
メンテナンスがなされておらず、架台周りの雑草が伸び放題になり、発電パネル上に鳥のフン害などの汚れが目立つような設備であると、めったに人が訪れない場所と見られ、窃盗しやすい場所との印象を与えるそうだ。
逆に雑草などが常にきれいに刈り取られ、発電パネルも定期的に清掃されているような設備の場合、人が定期的に来ている場所として、窃盗がしにくい場所と認識される。
このため、太陽光発電の汚れや雑草の様子を確認する遠隔監視システムなど、防犯対策としても活用できる。このシステムでは、外周警備システムと連動してセンサが反応したことを知らせ、リアルタイムに遠隔地からスマートフォ
ンやタブレットを使って確認ができる。