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防犯機器提供 全国21寺社に 中外日報2024.2.7
全国138社の防犯ネットワーク「セキュリティハウス・センター」(本部・京都市山科区)は、全国で仏像や文化財の盗難が相次いでいることを受けて昨夏、全国の寺社にセキュリティ機器を無償で提供する「文化財保全プロジェクト」を立ち上げた。今年1月31日に21寺社目の奉納先として天台寺門宗総本山三井寺(園城寺、大津市)へ機器を提供し、プロジェクトを完了した。
昨年4月に善光寺本堂からびんずる尊者像が盗まれた事件の後、翌月にセキュリティハウス・センターは防犯機器を同寺に無償提供した。これを契機に同プロジェクトを発足させ、8月から奉納先を募集したところ、20寺社から応募があり、今年1月までに順次設置した。
設置した機器は配線工事が不要で、仏像を動かすとセンサーが反応して卓上型受信機から警告音が流れる仕組み。真言宗室生寺派大本山室生寺(奈良県宇陀市)や廣田神社(兵庫県西宮市)、真宗大谷派善教寺(大分県佐伯市)、高野山真言宗久光院(横浜市港北区)、三井寺などに奉納した。
三井寺の福家俊彦長吏は「既に侵入警報や赤外線センサーもあるが、レベルアップした。奉納された機器は一つの仏像に対する装置だが、それぞれのお寺に個別事情を聞き取りして、全体的な防犯計画を考えていく必要がある」と話した。
セキュリティハウス・センターの近藤福佳氏は「仏像はお寺の財産であり日本の財産でもある。セキュリティ対策を取ることで、狙われないようにすることを目指している」と強調した。
(写真説明)
セキュリティー機器を設置する関係者(三井寺で)