文化財・重要文化財に指定されている
御神体や仏像などは、 被害に遭ってしまうと、例え再建をしても
年月を経た風格と歴史を取り戻すことはできません。
寺社仏閣では、昼間は観光客・参拝客がいるため
容易に侵入し、下見を行えるのです。
夜間照明が少ないことや、樹木に囲まれていて
外部からの見通しが悪いことが侵入者にとって好都合なのです。
しかも、無住の寺社であれば盗難発見が遅れることがあるので
犯行の行いやすい環境にあるのです。
特に多い犯罪
・仏像・宝物、お賽銭、線香立てや金属物の盗難、
・破損や落書きなどのいたずら
・放火
・滋賀県で文化財指定のない大日如来像など44体盗まれる。
・東京・奈良・広島などで、参拝客になりすまし、
格子をのこぎりで切断するなどの方法で約60体の仏像窃盗。
・島田市尾川の「法隆寺」で観音堂にあった市指定文化財の
「千手観音立像」が 金色に塗られた木製の仏像にすり替えられた。
約2週間のうちに3度転売され、約500キロ程離れた京都府の収集家の手に渡っていた。
仏像などは、物の状態が良ければ1体5~10万円程で取引をされることがあるのです。
海外で古美術として販売されるケースも多くあります。
意外にも、重要文化財よりも、その指定を受けていないものの方が狙われやすいのです。
それは、盗まれても気づかれにくいことと、
世間にあまり知られていないので転売しやすいからなのです。
全ての物を写真を撮り、特徴などを記録し、盗難されても すぐに手配ができるようにしておくことが大切です。
・平成12年 京都大原寂光院 本堂全焼。
堂内の重要文化財「木造地蔵菩薩立像」も焼失。
現在は新しく建立されて、新しい地蔵菩薩立像が安置されている。
・・・この放火は、平成19年に犯人を特定できず、時効となっています。
寺社仏閣は、木造建築なので、火の手が早く回ってしまうこと、
近隣に住居がないことから、気づいたときには既に炎が燃え広がり
取り返しのつかないことになっていた。ということになってしまいます。
特に段ボールや古新聞を貯めてある場所や、絵馬、古札収納所などは
放火されやすい場所とされていますので、注意が必要です。