プレジデント1997.3「成功するための住まいの建て替え学」

　ホームセキュリティ・システムの導入を考える時機としても、住まいの建て替えはいいチャンスであろう。
　特に円熟世代にとっては、老後をいかに安心かつ快適に暮らすかは、差し迫った大きなテーマに違いない。家に独りでいるときに急に具合が悪くなったり、転んでケガをしたり、あるいは火災が発生したときに即座に通報・対処できるシステムを備えておくことは、大きな心の支えとなるはずだ。
　また、防犯面でもより気を配る必要が出てくるに違いない。建て替えで家の構造が変わり、住む者も気づかないスキをつくってしまっているかもしれないのだ。例えば、プライバシー確保のために高くした塀や二階のテラスなどが、泥棒にとっては都合のいい死角にならないとは限らない。万が一に備えて「安心」な住まいに組み込むことも重要だろう。
　securityシステムというと何か仰々しいイメージをもつ人もいるかもしれないが、たいがい予算や要望に合わせて設備やサービスを選べるようになっているし、必要最小限からスタートして徐々に充実させていく手もあるだろう。ランニングコストも思ったほどかからないはずだ。

　意外に知られていないことだが、ホームセキュリティ・システムには2つのタイプがある。
一つは警報を察知したら、まずセキュリティ会社のスタッフが現場に駆けつけ、状況を確認した後に警察に通報などの対処するパターン。もう一つは、通報先を自分の携帯電話や勤務先、または親族の家などに設定し、自分で警察への通報などを行うパターンである。
　後者のタイプのシステムとして今、評価を高めているのが、セキュリティハウス・センターの「マザーズⅡ」である。このシステムなら、警報を察知したら自分で状況を確認し、素早く警察などに通報することができる。
　もっとも、この「マザーズⅡ」の最大のコンセプトは、そうした事態を招かないようにすることにある。
　泥棒の手口や心理を研究し尽したプロが、それぞれの家の条件や要望に合わせて構築する完全オーダーシステムで、泥棒に狙われやすいウィークポイントを先手を打って防御。二つとないシステムのため侵入のプロもその実態が予測できず、設置すること自体の威嚇効果っがきわめて高いのだという。
　もし侵入しようとしても、近づくと自動的にライトが点灯したり、塀を乗り越えたり窓ガラスの破損を検知するとベルが鳴りだして威嚇、同時に周囲に異常を知らせる。その退散効果は実に99.9％に達するという。
　また「マザーズⅡ」は、全自動消火システムも装備。煙と熱の検知によって、最初の５分が勝負といわれる火災の初期消火を行い、延焼・類焼を最大限に防止、家人が逃げる時間を確保する。同時にブザー警報がなり、消防署への通報が図れるのである。
　オリジナル保険による補償がつくなどアフターサービスも万全。北海道から沖縄まで全国にネットワークをもつので、一度、最寄りのセンターにそうだんしてみてはどうだろうか。